メンタルヘルス問題の背景(3)

皆さんこんにちは。今や平均的な職場でさえ、潜在的発症者が10%を超える、という声を普通に聞く今日この頃。今回で3回目となりますが、引き続きメンタル問題についてお話していきたいと思います。

「変化」がメンタル問題の大きな要因であることを前提とした場合、変化を「いかに前向きに捉えるか」ということに尽きるのではないでしょうか。

多くの一般的な社員にとって、変化は好ましいものではなく、安定した環境で自分の存在意義を明確にし、組織への貢献を実感したいというのがホンネでしょう。これは管理職の方々もほとんど変わらないと思います。ですから、変化と常に向き合っている幹部とその意識の差がどんどん開いてきます。

では、変化を好まない多くの一般的な社員に幸せに働いてもらう方法にはどんな取組みがあるのでしょうか?

まず第一に、「柔軟性」の高い生き方をしてきた人材を優先してリーダーに抜擢する動きがあります。
こういう人たちは、親の都合による転校や他責による環境変化に晒されて育ってきた人たちであり、こうした経験から、その対処方法を身に付けている場合が多いのです。
また、そのような体験を持たなくても、ある課題や目標を与えられたときに単純に面白そう、やってみたいと思うような「好奇心」をもった人たちです。
彼・彼女らは、慎重性には欠けるかもしれませんが、「まずはやってみよう」というエネルギーがあり、やりながら物事を学習していきます。こういうリーダーがいると、良い見本になり、若い部下がまねをするようになります。反対に、もちろん業務にもよるでしょうが、慎重性の高い人は、顧客や市場の前面にでる仕事はこの時代、厳しいのではないでしょうか。

もうひとつは、コミュニケーション方法の改善です。
朝礼やチーム会議で、常に「何がどう変わると思う?」という変化を楽しむトレーニング(ある意味、洗脳といえるかもしれません)の時間を持つことです。
変化を好まない多くの一般的な社員は現状を追認し、変化を無視するので、このような場をリーダーが持ち続けることで、「変化を受け入れることへの抵抗感」を無くすことが狙いです。
変化の結果を伝えられ、それが処遇などの不安に結び付くと、それこそとてもネガティブになりますが、自ら変化を予測できるようになれば、心構えや態度も違ってくるでしょう。
一人でも多くのスタッフを「変革リーダー」に仕上げてしまうことは、この時代、結構良い方法かもしれません。

変化は誰にとってもストレスです。でも、この変化は当面10年単位で止まりそうにありません。であるとすれば、変化といかにうまく付き合うかが大事なテーマとなります。
同時に、多くの社員が会社から精神的に独立し、自分らしく生きる、つまり経営から見るとダイバーシティがどんどん加速していき、常識となる時代が幕を開けるのではないでしょうか。

樋口弘和