給与計算担当者の方々へ 年末調整のポイント(1/3)

10月になりました。給与計算担当者の方々にとっては「年末調整が始まるぞ」と感じる時期ではないでしょうか。10月に申告書の準備をしてから、来年1月の給与支払報告書の発送まで、年末調整処理のことが頭から離れない日々が続くこととお察しいたします。
今回は私の10年以上の年末調整実務の経験から、年末調整業務において押さえておくべきポイントについてお話しさせていただきます。

・はじめて年末調整業務をおこなう方にとっては処理イメージを持っていただく
・毎年年末調整業務をおこなう方にとっては、今一度ポイントを再認識していただく

このような機会として、ご一読いただければ幸いです。

 

さて、この第1回は「扶養控除申告書、配偶者特別控除申告書」のポイントをお話しさせていただきます。

 

(1)扶養控除申告書、配偶者特別控除申告書

1.収入と所得の関係について

「平成27年中の所得の見積額」の記載で「所得」なのか「収入」なのか分からない記載に苦慮されることがあると思います。給与収入での上限である「103万円」を意識している方が多いため、「100万円」や「103万円」と記載してくるケースが多いためです。必ず所得を記載するよう、

収入―必要経費=所得
※給与収入のみの場合の必要経費は65万円(収入が1,619,000円未満の場合に限る)

であることを記入例等に記載するのがよいでしょう。また、給与収入に通勤費が含まれるかについての質問も多くありますので、給与明細を確認いただき非課税となっている交通費については、給与収入に含めなくてよい旨を明記するのがよいと思います。


2.配偶者控除と配偶者特別控除の関係について

配偶者特別控除を受けるためには以下の条件があります。

①給与所得者のその年の所得が1,000万円以下である

給与システムにて所得によって配偶者特別控除の可否を自動で判定している場合は問題ないですが、そうでない場合は、チェックの際に年間所得に注意することが必要です。

②給与所得者の配偶者の所得が38万円超~76万円未満である

「配偶者控除」と「配偶者特別控除」をダブルで受けることはありません。例えば「扶養控除申告書」で、控除対象配偶者欄へ配偶者の所得40万円と記載があり、配偶者特別控除申告がない場合は、従業員へ記載内容に誤りがないことを確認したうえで、「控除対象配偶者」ではなく、「配偶者特別控除」にて処理をおこなう必要があります。


3.本年中に死亡した扶養親族について

本年中にお亡くなりになった扶養親族については、本年までは控除対象となります。システムで自動印字した申告書を配布する場合、ご本人様が記載されていることが誤りであると誤認したり、お気を悪くしたりすることもありますので、該当者をあらかじめ把握できる場合は、別途事前に連絡をしておくなどの配慮をしておくとよいでしょう。


4.社内書式の提出について

「扶養控除申告書」の提出時に、直近の住所変更が記載されていたり、4月に会社へ届出ていなかった子供の就職について記載されていたりすることがあります。扶養控除申告書への記載で社内手続きをおこなうフローとしている場合は問題ありませんが、そうでない場合は、必ず別途社内書式での届出も必要である旨を案内しておくとよいでしょう。すでに扶養親族でなかった場合などは、会社が支給する手当金額に影響する場合もありますので注意が必要です。
 

■第2回はこちら→「保険料控除申告書、住宅借入金等特別控除申告書、前職の源泉徴収票の提出」
■第3回はこちら→「従業員からの問い合わせ」